ゆるゆるグラブルノート

ただ楽しみたいようにグラブルをのんびりと楽しむ様子を記すブログ。

「ロボミZ」イベ感想

「ロボミ」のサイドストーリー入りから、「ロボミ外伝」の復刻からもしや・・・とも思っていたが、ロボミシリーズの第三作「ロボミZ」が4周年直後のシナリオイベント登場となった。

 

あの水木一郎さんが予告ナレーションで特別出演する等開催前から力を込めていた様がうかがえたが、本編も非常に力のこもった作品となっており、前二作によって上がっていた期待を裏切らずとても満足するシナリオであった。

 

以下ネタバレ全開となるのでご注意願いたい。

 

 

 

 

 

 

今回のイベントは色々な見所があり、どれから語るべきか非常に困るが、最も良かったのが「特別演出」だと感じている。これまでのイベントでも様々な特別な演出がなされてきたが、今回は特に第3話エピソード2などで特別な演出がなされていた。

ハレゼナを攻撃したくないシロウらの葛藤を演出しつつ、強制的に攻撃する事となる様を画面外から突然現れる壊獣の指で表現して見せ、更にシロウの悲痛な叫びに呼応して覚醒したロボミ登場という展開を見事に盛り立てて魅せる演出は見事であった。ゆるりと突然現れる壊獣の指は驚きもあり恐怖もありで、とても感心した。

他にも前回同様、某ゲームを思い起こさせるようなゴッドギガンテスの戦闘シーンだったり、ダイモンとの共闘シーンだったりと熱く盛り立てる演出がいくつもあり、話を大いに盛り上げてくれるものとなっていた。

 

 

演出が良かったのは確かだが、シナリオそのものがとても良い出来だったからこそより映えたのだと私は強く感じた。本シリーズは前二作がそれぞれ好評な作品であっただけに、一定のハードルはあったがそれを軽く超える出来となっていた。

「人」と「壊獣・壊人」の対比から始まり、「壊獣」と「壊獣の姿になりながらも抗う人」の対比がなされ、そして「デスロウ」が人と壊人の間で揺れ動いて悩み続ける姿を描いていった流れはとても良かったと感じる。「デスロウ」の「人らしさ」が徐々に徐々に表現されていき、マリエに姿が似た「アイリ」という少女に特別な思いを寄せていく姿には、思わず同情したくなってしまった。人ならざる悪役が見せる、人間らしい側面というものは王道的な展開ではあるが、ロボット物、特撮物の王道シーンのオマージュが数多くなされるロボミだからこそ、殊更にその良さが映えたのではないだろうか。

ただ単にマリエに似ているからという思いでアイリに特別な思いを寄せていたであろうデスロウ。そして、そんな彼に想いを馳せて優しさを見せ続けたアイリ。二人の愛の形は歪なようで、とても「人らしい愛」の美しさがあったように思う。自らの存在意義をかけてまで仕掛けた自爆の間際に思い浮かべたのが、アイリであって、彼女を守るために自らの身を切り裂く等最後になるにつれて人らしくなったのは何だか感慨深いものがあった。

 

他にも、モブのキャラクターが活躍したり重要な役回りを演じたりしたのもとても良かった。グラブルのシナリオイベントで評判が高い作品ではモブも適度に活躍するような気がするのは気のせいだろうか。傑作と名高い「氷晶宮でミックスパイを」や「俺達のレンジャーサイン!」においても、モブのキャラクターの上手な描写が見受けられた。

本作でも、開幕でのネタ要因かと思っていた都市防衛隊が、命を賭してでも市民を守ろうとする熱い側面を見せたり、壊人達に向けた「違うと思ってみれば何もかも違う」という胸が熱くなる台詞だったりを見せてくれた。また壊人達も元は一般人であったはずなのに、主人公やシロウと共に最前線まで戦ってくれたりと、壊獣とは違う「人」らしさを見せてくれてこれまた胸が熱くなる人々だった。壊獣姿のキャラクターを使って場ドル出来たのも実に愉快で面白かった。

 

ロボミの悪役であった「ケンジ」が外伝において仲間となり、外伝の悪役であった「ダイモン」が仲間となって戦ったのも、ある種の王道的で胸躍るものがあった。

特にケンジの過去を思うと、最後のケンジの言葉は重いものだったが、彼もシロウ達と触れ合った事で過去を払拭できたのではないだろうか。一度たりとも親から名前を呼ばれずに孤独な人生を歩んだケンジが、シロウに対して子供の名前をたくさん呼んであげてくれ、だなんて言うことが出来たのはそれだけケンジが人の愛を知ることが出来た証であろう。また、ロボミもマリエの出産を見届けたであろうから、彼女は彼女で7万年以上越しに夢を叶えたような気が私はする。

 

ウィルの登場が少なかったのは残念であったが、ハレゼナは人間的な成長が色々と描写されていて個人的には大満足であった。根は真面目で弱気な彼女がお姉ちゃんになる事でより人間的に強くなれる事だろう。

 

 

 

諸々のキャラ描写は私が形容できる以上に素晴らしかったのだが、世界観や設定などにも絡めるようなシナリオとなっていた点も高評価の要因だ。ルリアと命がリンクしているという設定が久方ぶりに活用されたのはむしろよく残っていたなと驚いたほどであったが、今後も是非とも活用してもらいたい。(距離が離れすぎると死んでしまうという設定はやはり没になったのだろうか・・・?)

ルシフェルが死んだ直後に「人」の「進化」が描かれ、また「人」が他の生物とは大きく異なりそれ故に勝利できることを再び描いたのは、やはり製作陣としてはこれらの点がグラブルの世界において重要な要素である事の証左であろう。「空の民」は、「星の民」とも「幽世の存在」とも「月に住まう人々」とも「壊獣」とも違うのだという事はこれまでも何度か指摘されてきたが、ここにきて頻繁に指摘される事も無かったため、今後のストーリーでどのようにして活かされるのか期待したい。

 

 

 

全体的に見て、今回の「ロボミZ」は「期待を裏切らない名作」であった。残念ながらSSRのロボミやシロウを入手していない為、本編以外の情報を把握してはいないが、もし更なる続編があったとしても大いに期待が出来そうである。シロウとマリエの子供も交えてのストーリーだとしたら個人的には嬉しく思う。ベス以来の育成要素も存在する少し珍しい形式のイベだが、ネタ的にも壊獣スキンは是非とも入手したい。私はタヌキ型のスキンを取ろうかと考えている。

 

 

 

今月は遂に「暁の空編」が完結となる。完結編という事で、特別に3章更新となることが明かされており、期待が高まる。更には名探偵コナンイベも控えており、こちらを心待ちにしている方もいることだろう。

そして月末になれば、シナリオイベントとなる訳だが、個人的にはナルメアをメインとした話になるのではないかと予測している。ナルメアのキャラソン発売日が5月2日となっているため、今月末から開催となれば上手く重なるからである。ユエルとソシエのキャラソンも彼女たちのイベとほぼ重なる頃に発売されたため、今月末がナルメアのイベントである可能性は十分あるだろう。

 

 

大きなハズレがなくなっただけでなく、レンジャーサインを筆頭に名シナリオがいくつも登場した4年目のグラブル。5年目のグラブルの先頭バッターとして開催された「ロボミZ」のこの出来は、今年もシナリオイベントに期待できることを十二分に示してくれた。毎回記事の締め方が似ているようなきがしてならないが、今後も実に楽しみである。